特別授業(SDGs):専門家と中学生が「対談」≪龍谷中学校≫

龍谷中学校から、特別授業の報告を頂戴しましたので、ご紹介いたします。
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2021年3月5日、龍谷中学校(佐賀市)にて、SDGsの各目標やターゲットに関する専門家の方々4名と龍谷中学校の生徒がオンライン対談をするという特別授業を行いました。これまで熱心にSDGsについて学んできた本校生徒ですが、さらに自分事として169のターゲットまで掘り下げて、学ぶ機会が必要だと思ったこと、そして、専門家に対して質問ではなく、「対談」を通して語り合うことで、自分の言葉に責任をもって語り合えることを目指した取り組みにしたかったのです。「対談」は各20分という限られた時間にもかかわらず、趣旨に賛同していただいた4名の専門家の方々が順番に登場していただき、中学生の意見や思いに対して答えていただきながら、一緒にそれぞれのテーマについて考えていただきました。

この「対談」にあたり、事前の準備として2つのことを行いました。1つは自分たちが話をするテーマについてのしっかりとした知識や情報を得た上で、自分自身がどういう思いをもっているのかを整理する学習、そして、もう1つは、人と話をするときの心構えについてです。相手の話を否定しない「Yes and…」、相づちをうつ、分からない言葉について丁寧に質問するなどのダイアローグ・アクティビティ・トレーニングを行いました。専門家の方に質問するだけで終わるのではなく、自分たちも一緒に考えているという気持ちや、それを聞いてもらった上で、アドバイスや新しい視点をいただくということが重要だと考えたのです。そうすることで、このSDGsを通して知ることは、自分の問題、解決すべき課題として、自分ごととして考えることができると思いました。

当日は、食糧問題、感染症問題、水質汚染の問題、LGBTQについての専門家の皆さんとの話でしたが、講演会とは異なり、生徒たちと語り合っている場面が生まれました。そして、どの内容も素晴らしかったのですが、特に最後のLGBTQについての話の後、そのグループの生徒が、同性が好きだということを友達に告白されて、どう接していいのか分からず、何も言えなかった経験を語ってくれました。さらに、他の生徒も、女子同士が手をつないで歩いている様子を気持ち悪いと思っていたが、そういう考え方はよくないことだと気付きましたという話をしてくれた生徒もいました。こうした場で、自分のできなかったことを言葉で発することができるという行為は、まさに関わっているテーマが自分事になった瞬間だと思いました。とても心を揺さぶられる瞬間でもありました。

水俣病に関する取り組みをしている森山さんからは、メディアリテラシーについても触れていただき、実際に自分の目で問題を探して、感じて、解決してほしいということを伝えていただいたり、マラリアを撲滅する活動に取り組んでいる長島さんからは「私たちの目標は私たちの団体が解散することです」、つまり、団体が解散するということはマラリアが撲滅したということを目標にしているという話を聞いたりすることもできました。

このSDGsにおいて学びを進めるのは、実は生徒だけではなく、教師自身も含まれていると思いました。地球という大切なバトンを世代を超えて渡していくことはとても重要だと思います。この特別学習に関わったすべての方々に感謝申しあげます。